Salesforceで世界規模の障害、日本を含む各国に影響
2026年9月16日、世界最大級のCRM・クラウドサービスであるSalesforceで大規模なサービス障害が発生しました。
Salesforceの公式ステータス情報によると、利用者には深刻な遅延、断続的なエラー、一部サービスへアクセスできない状態などが発生しました。
影響は米国だけではなく、日本、インド、英国、フランス、ドイツなど世界各地の多数のインスタンスに及んだと報じられています。
Salesforceは営業、顧客管理、コールセンター、受注管理、マーケティング、社内ワークフローなど、企業の重要業務に深く組み込まれています。
そのため今回の障害は、単なる「Webサービスが一時的に使えなかった」という問題ではありません。
クラウドサービスへ業務を集中させることのリスクを、改めて企業に突きつけた事案だといえます。
Salesforceがダウンした理由は?
Salesforceの調査では、障害発生中、リクエストが内部のログインサービスからの応答を待ったまま滞留し、利用可能なサーバーリソースを消費する状態になっていたことが確認されています。
その後Salesforceは、コアシステムの一部で負荷が増加し、リクエストを処理する能力が制限されていたと説明しました。
つまり現時点で確認できる障害の構図は、
- 内部ログインサービスへのリクエストが滞留
- サーバーリソースが圧迫
- コアシステムの処理能力が低下
- 遅延やエラー、サービスへのアクセス不能が発生
というものです。
Salesforceは修正をテストした後、影響を受けたインスタンスへ順次展開し、サービスは徐々に正常化しています。
ただし、「なぜ内部ログインサービスやコアコンポーネントの負荷が増加したのか」という根本原因については、現時点では完全な原因分析結果が公表されたわけではありません。
そのため、「○○の設定ミスが原因だった」「サイバー攻撃だった」といった断定は避ける必要があります。
Salesforceが止まると企業では何が止まるのか
SalesforceをCRMとして利用している企業では、障害によってさまざまな業務へ影響が及ぶ可能性があります。
- 営業担当者が顧客情報を確認できない
- 商談や案件情報を更新できない
- コールセンターが顧客履歴を参照できない
- Salesforceと連携するシステムが動かない
- 申請・承認ワークフローが停止する
- 受注・問い合わせ情報の処理が遅れる
特に現在は、Salesforce単体で利用するのではなく、ERP、MA、BI、会計システム、データウェアハウスなどと連携している企業が増えています。
その結果、Salesforceの障害が他システムの業務停止へ連鎖する可能性も考える必要があります。
DX推進とセキュリティ対策を
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クラウド利用、SaaS導入、ERP刷新が進むほど、ID・権限・認証情報の管理は重要になります。システム導入だけでなく、運用設計やガバナンスまで含めたDX推進について、現状の課題整理からご相談いただけます。
無料相談するDX担当者が考えるべき「Salesforceに依存しすぎない体制」
ここで重要なのは、「Salesforceを使うべきではない」という話ではありません。
Salesforceは世界中の企業で利用される非常に重要な業務基盤であり、クラウドを活用することで企業は大きなメリットを得ています。
一方でDX担当者は、「Salesforceは止まらない」という前提で業務を設計してはいけないということです。
1.障害時に最低限必要な情報を決めておく
Salesforceが利用できなくても業務を継続するためには、「何の情報があれば最低限仕事を続けられるのか」を事前に整理しておく必要があります。
たとえば重要顧客、当日の訪問予定、緊急案件、問い合わせ先などについて、障害時の参照方法を決めておくことが考えられます。
2.Salesforce障害時の業務フローを作る
システムが使えなくなってから、
「ではExcelで管理しましょう」
「メールで連絡してください」
と決めるのでは遅すぎます。
通常時とは別に「Salesforceが利用できない場合の業務手順」を事前に決めておくことが重要です。
3.連携システムへの影響範囲を把握しておく
SalesforceとERP、会計、データ分析基盤などを接続している場合、一つの障害がどこまで波及するのかを把握しておく必要があります。
API連携が止まった際に、
- データは後から再送できるのか
- 重複登録が発生しないか
- 途中まで処理されたデータをどう扱うのか
まで確認しておくことが重要です。
4.Salesforceのステータス情報を監視する
Salesforceでは公式のTrust Statusページで、利用中のインスタンスごとの障害状況やメンテナンス情報を確認できます。
DX担当者や情報システム担当者は、障害発生後にSNSで情報を探すだけでなく、自社インスタンスの公式ステータスを確認できる体制を整えておくことが重要です。
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無料相談するクラウド時代は「止まらないシステム」より「止まっても動ける会社」へ
今回のSalesforce障害からDX担当者が学ぶべき最大のポイントは、特定サービスの信頼性を疑うことではありません。
重要なのは、
どれほど信頼性の高いクラウドサービスであっても、障害が発生する可能性をゼロにはできない
という前提で業務を設計することです。
ASCENDでは以前、「Microsoft Teamsで発生した障害」や、「全国で自治体公式HPが相次いで閲覧不能となった事例」についても取り上げました。
これらに共通しているのは、企業や行政のDXが進むほど、外部クラウドや共通基盤の障害がそのまま業務継続リスクになるという点です。
Salesforceを使うこと自体がリスクなのではありません。
「Salesforceが止まったら会社の業務も止まる」という状態を放置することがリスクなのです。
DX担当者には、便利なクラウドサービスを積極的に活用しながら、そのサービスが一時的に使えなくなった場合でも最低限の業務を継続できる「デジタルBCP」を設計することが求められています。
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